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2024年に開業60周年を迎える東海道新幹線。開業以来のべ68億人を運んだ日本の大動脈ですが、静岡・藤枝市に誕生の原点があるそうです。新幹線と藤枝市の関係性を探ります。
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やってきたのはJR藤枝駅。改札前の待合スペースにある窓にそれはそれは大きく「新幹線原点のまち藤枝」とあります。
藤枝は、新幹線が止まる静岡駅と掛川駅に挟まれていて“通過する町”です。原点とは一体どういうことなのでしょうか。
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新幹線原点のまち藤枝を伝える会の代表、山内達仁さんにお話を伺います。
山本さんによると原点だと分かる場所があるということで、ついて行くことにしました。
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新幹線のスピード試験
案内されたのは藤枝駅近くの踏切です。この踏切と新幹線はどのように関係するのでしょうか。
新幹線原点のまち藤枝を伝える会・山内達仁 代表:
202キロポストがあります。ここがスピード試験をやったときに世界最高速度が出た地点になります
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なんと藤枝は、新幹線の実現に向けてスピード試験が行われたまちなんです。
開業からさかのぼること5年前、1959年に当時の「ビジネス特急こだま」を使い、島田市にある金谷駅と藤枝駅の間で試験は行われました。
「こだま高速度試験」と呼ばれるもので、新幹線で計画されていた時速210kmが可能かどうか証明する試験でした。
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当時の世界最速であった時速163kmを、 藤枝市のまさにこの踏切を通過したときに記録したそうです。昭和34年の新聞には、その歴史的瞬間を伝える記事が載っていました。
「空飛ぶような“こだま” 見事、160キロの金字塔」「世界記録を樹立」と称賛の言葉が並びます。
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記事には島田駅の駅員の話も載っていて、「全く驚かされるスピードであった」と通過する新幹線の速さに驚いたことが記されていました。
それもそのはず、当時の人からしたら、感じたことも見たこともないスピードだったのです。
試験地に選ばれた理由
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ところで、なぜ試験の場として藤枝が選ばれたのでしょうか。
島田駅から藤枝駅に向かう線路で行われた高速度試験。山内さんによれば、藤枝と島田の間には長い直線があり、緩やかな下り勾配にもなっていて、加速に適していたからだそうです。
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藤枝での試験成功を受け、新幹線は実現に向け大きく前進。
翌年には、島田ー藤枝に「技術試験専用の線路」が設置され、新幹線で使う架線やレールのテストも行われました。
旧国鉄が残した貴重な資料も見せてもらいました。
にむらあつとリポーター:
何回も走らせてブレーキの性能をテストしているのが分かりますね。誰も見たことのない、体験したことのないスピードにどれだけ強度が必要か、ひたすら実験したんですね
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全然知られていない現実
世界一安全と言われる日本の新幹線。その開発の舞台として大きく貢献した藤枝市。しかし、山内さんには不満があるようです。
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山内 代表:
びっくりするくらい知られていないことに、びっくりしています
歴史に残る世紀の実験が行われた町なのに、地元ではあまり知られていないという悲しい現実。そこで最近始まった取り組みがあります。
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当時、世界最速を記録した列車をそっくりそのままミニチュアにした「ミニ特急こだま号」です。
藤枝市郷土博物館で、不定期に乗車体験を開催しています。
子供たちに楽しんでもらいながら、新幹線原点のまちを伝えるツールになればと願う山内代表の提案で始まった取り組みです。
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大人のにむらリポーターだって乗れば思わず笑顔になってしまいます。
藤枝市は、新幹線の実用化に向けてスピード試験が行われたまさに原点のまちでした。藤枝市と新幹線の関係性を知ると、より新幹線にも藤枝市にも愛着を感じそうです。
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